水彩画入門・ステップA・空、雲、遠景の描き方

空の描き方
ステップAは、空や遠景の描き方について、初心者の方にも描きやすい方法を紹介します。

■ウォッシュ
水彩画を始めたいと思っている方なら、技法書を一冊は買うと思いますが、どの技法書にも載っている技法です。
絵具をタップリと含ませた筆で塗っていく事を「ウォッシュ」と言います。

この技法で、広い面積を均一な色に塗ることが出来ます。
8号くらいの筆に、タップリと絵の具を含ませ、左右に筆を移動させながら、下に向かって描いていきます。少し練習が必要です。

上の方法よりも簡単に空を描きましょう。

巾の広い平筆で「ウォッシュ」する方が簡単です。

ブルー系(ペインズグレーなど)の、ごく薄い絵具を平筆で塗り、空の下地を作ります。この時、パネルの上側にティッシュの箱などを敷いて、紙を少し傾けて描くと上手くいきますよ。

【Graded Wash】下の方へ徐々に薄くグラデーションをつけるには、途中から絵具に水を加えていきます。






この描き方で、空などを描く時は紙を傾けておくと上手く行きますよ。
■ウエット・イン・ウエット

上で作った、そらの下地が乾かないうちに、雲を描いていきます。

描くと言うより、実際は「絵具を筆で置いて行く」・・・という感じです。
この技法が「ウエット・イン・ウエット」です。
(ウエット・イントゥ・ウエットとも言う)

雲を作る絵具の濃さや置き方は、何度か描いていくうちに掴めると思います。練習あるのみっす(^^)
※絵具のにじみ具合は、紙によって、かなり違います

【応用】
空の下地をウォッシュするときに、水を多めに含ませた絵具で描き、乾かないうちに、雲になる絵具を乗せます。・・・・そして・・・紙を少し傾けると、紙の上で絵具が動きます。

下地の濡れ具合、後から置く絵具の濃さで、絵具の流れ具合も違ってきます。これも何度かやるうちに分りますよ(^^)
画面の外に出てきた余分な水は、ティッシュで吸い取ります。

紙の上で絵具を動かすのは面白いです。・・・が、しかし、あまり流しすぎて「ドラマチックな空」を通り越すような空にしないでね・・・!


【ポイント】

※絵の具は、たっぷりと余る位に作っておこうね(^^)

空に限らず、描く時は絵の具を多めに溶いておきましょう。
途中で足りなくなると焦るし、同じ色を作っている間に、部分的に乾いてきて失敗・・・なんてことが良くあります!
 
風景画では、空と雲は大きなウエイトを占める部分です。どんな空にするのか?で、絵の雰囲気がガラリと変わります。


子供の頃に描いたような、青い空に、ぽっかり浮んだ白い雲。

ウォッシュで塗った絵具が乾かないうちに、ティッシュペーパーで絵具を吸い取っていきます。様子を見ながら、少しづつ雲を作ります。


※この他にも、筆で吸い取ったり、乾いた後に削り取ったりする方法がありますが、先ずは簡単な方法から・・・(^^)

上の方法で、一度にギュッとティッシュを押し付けると、ティッシュのしわの形がクッキリ残るので、気を付けましょう。


空の下地が乾いてから、雲を描くことも出来ます。

この方法が一番簡単ですが、あまり濃くなり過ぎないように、ティッシュで押さえて濃度を調節します。

人それぞれ、好みの空がありますよね。自分の空を創り出せるように、試行錯誤を繰り返して頑張りましょう(^^)/
遠景の山並の描き方
日本の風景に欠かせない?のが遠くの山ですね(^^)
決まった描き方はありませんが、遠くの山ですから、普通はグレー系の色で薄く描けば良いでしょう。
場合によっては、ミネラルバイオレットや渋めのグリーンを、少し滲ませたりします。
2007.2.16


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