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実際の現地では、最初にの写真のような光景を目にする事になります。この場所で、気に入った「光景」があればスケッチをする事になりますが、初めて訪れた場所であれば、まず歩き回ってみて「気に入る風景」を探します。私は写真手前の廃船の向こうの、古い漁船を大きく入れた景色に決めました。どのような景色に魅力を感じるのか、そして、どこをどう切り取って絵にするのかは、個人の感性に頼るほかありません。
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実際の現場の様子です。・・・この日は天気がよく変わっていました。 |
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実際のスケッチです。
言い訳ですが、この日は雪が降る天候で、かなり手を抜いたスケッチです・・・(^^;
左端の漁船や四角いボートなど省略しています。
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スケッチを元に下絵を描く。(細部は写真も参考にします) 私の水彩画の描き方は鉛筆の線を活かした描き方ではありませんので、作品の下描きは鉛筆で薄く描いています。
すべてを忠実に描いている訳ではありません。
この段階で構図も多少調整します。(後ろの漁船の位置や大きさ、手前の船のそりを少し強調)
マスキングが必要な場合はマスキング液を塗っておきます。(ブルーの部分がマスキングです)
線など細かい部分のマスキングは、仕上げる時と同じ位注意を払って描いていきます。
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先ず空の部分に幅の広い平筆で水を引き、その上から空を描きます。
そして、空の部分が完全に乾ききらないうちに島と山を描きました。
(この絵の場合は山の端を少し滲ませたい為)、・・・それから次に海の部分を描きます。
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山、海の部分が乾いてから、砂浜を一気に描きました。海の部分も少し描き加えています。
マスキングを一部剥がします。(家屋の部分と、手前の漁船の一部分)
次に、船を大まかに描いていきます。
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砂浜の質感を出すために、散布技法を使うので他に飛び散らないように覆いをしました。
歯ブラシ等に絵の具をつけて、指やナイフで弾いて絵の具を飛び散らせる事を散布技法と言います。
覆った部分の境目が直線的にならないように、弾く時に注意しました。
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すべての部分が乾いてからマスキングを全部剥がします。
家屋の部分は先に描いておきました。海にも少し手を加えています。
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船の細部、砂浜の石など砂浜を描き加えています。 |
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奥の漁船を描いています。更に手前の漁船の細部を仕上げています。
海の波の様子を描き加え、全体を見て必要な箇所を描いて・・・完成・・・サインを入れました。
私の水彩画の描き方は参考になったでしょうか?
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細部の写真 |

奥の漁船のようす |
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写真と比べても分るとおり、あるもの全部を忠実に描いている訳ではありません。
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どうでしょう、砂浜に見えますか? |
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マスキング液など・・・ |
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マスキング液はW&N製とクサカベ製を使っています。(薄い石鹸水で筆を濡らしてから描くと良いです)
マスキングを剥がす時は指の腹で擦って取ります、つまんで持ち上げると紙が破れやすいので注意。
筆に付着したマスキング液を取る為のクリーナーも売られています。(写真:右)
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