アルシュ紙はフランス製の水彩紙で、素材は100%コットンの中性紙です。手漉きに近い製法で製造されておりナチュラルホワイトで、ゼラチンを紙の中まで浸透させるにじみ止めが施してあり大変強い紙で、さらに防カビ処理が施され酸性劣化を防ぎ長期保存に適しています。
アルシュ水彩紙が初めて作られたのは1492年にフランス、ロレーヌ地方のアルシュ工場で作られたそうですから500年以上の歴史があるんですね、驚きました。
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小サイズはブロック、それ以上は56X76cmのシートペーパーかロールペーパーを使用しています。
写真上から
ブロック26 x 36(粗目)と23 X 31(細目)
ロールペーパー113 X 915cm
シートペーパー56 X 76cm
厚みはすべて300g/u |
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左の説明はアルシュ紙ブロックの裏に書かれている説明です。
(7か国語で書かれています)
粗目、細目、極細がアルシュ紙の日本語による正式な呼び名のようですが、お店によっては、細目を中目と表記したり、極細を絹目と呼んでいたりします。
アルシュ紙(水彩紙)の紙肌の呼び方
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日本語 |
英語 |
フランス語 |
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粗目 |
Rough |
Grain torchon |
▲ |
細目 |
Cold pressed |
Grain fin |
● |
極細 |
Hot pressed |
Grain satine |
アルシュ紙ブロックに目の粗さは日本語では書
かれていないので、上の表を参考にして下さい。 |
ARCHES アルシュ水彩紙 |
185g/u |
300g/u |
356g/u |
640g/u |
850g/u |
ブロック |
18x26cm |
■▲ |
■▲● |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
23x31cm |
■▲ |
■▲● |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
26x36cm |
■▲ |
■▲● |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
31x41cm |
■▲ |
■▲● |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
36x51cm |
■▲ |
■▲● |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
46x61cm |
■▲ |
■▲● |
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シート |
56x76cm |
■▲● |
■▲● |
・・・ |
■▲● |
■▲ |
64.8x101.6cm |
・・・ |
・・・ |
■▲● |
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75x105cm |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
■▲ |
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101.6x152.4cm |
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・・・ |
・・・ |
■▲ |
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ロール |
113x915cm |
■▲● |
■▲● |
・・・ |
・・・ |
・・・ |
133.4x915cm |
・・・ |
・・・ |
■▲● |
・・・ |
・・・ |
113x1830cm |
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・・・ |
■▲● |
・・・ |
・・・ |
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ArjoWiggins(アルジョ ウイギンス)が発売している、アルシュ水彩紙の製品はこれだけあるようですが、私が愛用しているのは4種類だけです。
すべての製品が日本で入手出来るかどうかは分かりません。
同じ細目の紙でもシートとブロックでは、製造工程の違いによるものでしょうか、ほんの少し粗さが違います。 |
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紙の目を比較した写真です。
極細は紙肌が非常に滑らかです
(イラストや細密画向き)
細目は感覚的には中目に近いと思いますが初めての方にはこれがお勧めです
粗目は質感などを表現するのに良いと言われています
現在私が使っているのは、細目と粗目です、紙の厚みは300g/uを使っています。
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●極細 |
▲細目 |
■粗目 |
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ブロックとシートペーパーについて
ブロックとは20枚程の紙を重ね四方を糊で固めたもので、乾いた時に紙が元のように平らになります、絵が完成したら充分に乾かしてからペーパーナイフで一番上の紙を剥がします。
私は水をたくさん使う描き方をしますが、アルシュ紙300g/uの23x31cmブロックは問題無く使っています。185g/uのブロックもありますが、私のように全面を水彩で描く場合、紙が水分を含むと波を打って、描きづらいばかりでなく絵具が溜まって斑になったりします。
厚みやサイズ、メーカーによっても違いますが、水彩絵具で水を沢山使って描いていると紙が水を含み非常に伸びます、そして乾くと縮みます。元通りに縮めばよいのですが、紙がボコボコと波打ってしまう事がよくあります、水張りはそれを防ぐ為に最初に紙を伸ばしたまま固定するのです。水を多量に使った描き方でも紙が波打たずに描く事が出来ます。
※「水張りの仕方」へのリンクが下にあります。
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アルシュ紙のシートペーパーには左のような透かしが入っていますが、このインフィニティー(∞)はアルシュ紙のずば抜けた保存性の証です。
(ブロック、ロールに透かしはありません)
お役立ちリンクページにアルシュの
HP、URLを載せています、興味のある方はどうぞ。
アルシュ紙はArjoWiggins(アルジョ ウイギンス)のが販売しています。 |
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日本のメーカー・マルマンなどからも185gのアルシュ紙でスケッチブックが発売されています。スケッチに持って行くのであれば、むしろこちらの方が使いやすいでしょう。実際私も作品として仕上げる時に上記のアルシュ紙を使用し、スケッチには185g/uのスケッチブックを持って行く事が多いです。
◎最初はコストを考えて185g/uのシートを切るかスケッチブックから一枚切って水張りして使う方法が一番良いでしょう、その分沢山の絵が描けますから。
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ココまで読んで頂き大変ありがとうございます、ここまで読まれたあなたは水彩紙や筆・絵具に非常に感心を持たれている方でしょう。良い物はやはりそれなりの値段がしますが、高級ゴルフセットよりは随分安いです(笑)・・・いずれにしても、紙や筆などは使ってみなければ分りません、試行錯誤しながら自分にあった物を探すしかないのです。
余談ですが、私が昔スキーをしていた頃(西日本のスキー場です)新雪が降って、それを雪上車で整備したゲレンデの良い雪の上を滑った事があります。その時は急に上手くなったように思いました(実際上手く滑れました)雪も広い意味で滑る為の道具と考えれば、初心者ほど良い道具に助けられるのではないでしょうか。
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