超小型軽量・水彩画用野外イーゼル

前のページで水彩画用イーゼルを紹介しましたが、車での移動じゃない場合
荷物は少しでも軽くコンパクトにしたいですよね。泊まりがけのスケッチ旅行、
海外でのスケッチへも持って行けるような、超コンパクトイーゼルを考えました。



これが、そのイーゼルの全部品ですが、まあ早い話、小型の三脚と、それに取り付け出来るように金具を付けたベニヤ板で出来ています。シナベニヤの大きさは33X24cmですが、これは私のバッグに入る大きさなので適当に決めて下さい。

部品全部で重さは、約600gです。



これがF6のスケッチブックを置いて、椅子まで置いてみた写真です。どうでしょうか?。結構、いい感じでしょ。

三脚の足を全部伸ばすと80センチ弱です。スケッチブックは置くだけでも良いと思いますが、念の為2箇所位を、下の板とクリップで止めれば良いでしょう。

このイーゼルは、絵具で描くときに使う為に作った物です。鉛筆で描くだけなら必要無いと思います。

ちなみにイスは、グリベルのトレッキングチェアで、重さは400gです。



ベニヤ板は3ミリのシナベニヤを使っています。表面がキレイですし、普通のベニヤより強度があるように思います。

板に取り付けている金具は、以前、カメラに外部ストロボを取り付ける為に使っていた物から流用しました。金具に4箇所ドリルで穴を開け、3ミリの皿ネジで固定しています。

雲台部分が多少心配だったので、アルミパイプでステーを作りました。アルミパイプの両端を金槌で叩いて潰し、片側だけ、クリップを3ミリのネジとナットで付けています。
もう片方は曲げて、滑り止めにゴム管を被せてあります(ビニールテープでも良いと思います)

※アルミパイプを潰す時、クリップにネジ止めする方と、ゴム管の方は、潰す角度が違ってきますので、片方ずつ作業をして、実際に合わせてみてください。


アルミパイプの上側はクリップで挟んでいるだけです。

実は、このイーゼルで一番肝心なのが、この三脚。

ヤマダ電機で偶然見付けた2090円のミニ三脚です。
ガードフォースジャパンと言う会社が発売している、
「VANGUARD DIGI 1」といいます。


このタイプの三脚は各社から色々出ていますが、この三脚は、足をロックする事が出来る優れものです。
足の各段に付いているポチッと押すストッパーを押して足を途中で止めた場合でも、足全体を回転させればロックできます。

「VANGUARD DIGI 1」残念ながらNetでは販売が確認出来ません。
メーカーHPによると、DIGI 1(7段携帯アルミ三脚)
縮長: 230mm 、伸長: 740mm 、重量: 405g で、ヤマダ電機(株)で販売中とのことです。

他の同じような三脚で、足を途中で止めてもロック出来る物があれば使えます。他の携帯型三脚が使えるかは試してないので分りません。(最下段に記入の、三脚ネジの長さにも注意して下さい)




5/23追記
ハクバ 8段三脚 コンパクトエイト (H-8CM) も足をロック出来るようです。
(但し、ネジの長さが若干短い為、雲台のゴムシートを剥がせば、下に書いた作り方でも何とか使えそうです)
2007/10/28追記
ケンコーの8段コンパクト三脚 ST-3 も脚をロック出来るようです。
上記、ハクバのH-8CMは生産中止という噂です。


もっと簡単に作る・・・新・超小型軽量水彩画用野外イーゼル

上に書いた作り方で一番の難点が、カメラグリップから流用した金具です。これが家にあるなら良いのですが〜。無い場合、これも買わないといけませんが、三脚と合わせると結構な金額になります。そこで、もう少し簡単でお金の掛からない方法を考えてみました。


エツミという会社が販売している、
エツミ・止ネジ(短)E-6600を使います(\500)税抜

大都市の大きなカメラ店では店頭にあるかもしれませんが、在庫していない店の方が多いと思いますので、大きなカメラ店で取り寄せてもらって下さい。Net通販でも入手できます。

写真は手元にあった物でエツミの止ネジとは少し異なるかもしれません。


エツミ・止めネジE-521

これがエツミ止めネジのパッケージ。
工夫しだいでいろいろな用途に。と書いてあります(笑
2つ買っておけば安心ですね。



■三脚と止ネジが手に入ったら・・・
■次にベニヤですが、少しサイズを小さくしました・・・シナベニヤ30X22.5センチ(地元のホームセンターで\241)
 (板の大きさは、常用している用紙サイズにより、自分の都合の良いサイズに決めて下さい。 私の場合、上で作ったのがF6用)
■シナベニヤに対角線を引いて中心に穴を開けます、ドリルがあれば一番良いのですが、彫刻刀でも開きます。
■次に止ネジの、出っ張ったネジの部分は必要ないので金ノコで切り落とします(回りの「ふち」と同じ高さにします。ネジ部を切り落としても穴は開きません)。サンドペーパーかヤスリで表面を滑らかにして下さいネ。・・・金ノコが必要になりますが、この部分だけは工具が必要なので、歯だけでも買ってください。
■次に、ベニヤの下から三脚のネジを差込み、止ネジを被せて回します。最後に、三脚側の固定ネジと上の止ネジを両方持って締めます。

■次に、100円ショップ、ダイソーで買ってきた、カラーボード(厚み5ミリの発泡スチロールの両面にカラーの紙が張ってある物)、私が買ったのは白で大きさが45X30cmです。これをベニヤと同じ大きさにカットして、真ん中に止ネジよりやや大きな穴を開けます。
◎これで終わりです。



板とカラーボードは、上の部分の長辺だけを幅広のテープで貼り付けただけです。この方が、止ネジを締め易いです。


右の写真はF4のスケッチブックを置いて、クリップで挟んで固定しています。

左の写真は、ステーを取り付けた状態です。シナベニヤの板の上に5ミリ厚のボードが乗っているのが分るでしょうか、 これでスケッチブックが置けます。
買ったスチロールボードの厚みが足りない時は、スーパーの発泡スチロールトレイ等を切って下に挟んで下さい。

三脚を地面に立てる時に少し開きぎみにすると安定します。


シナベニヤの板を小さくしたのと、取付金具が無くなったので、重さが軽くなりました。

何でこんなに小さな三脚を選んだかと言うと、私が旅行に行く時はスーツケースは持って行かないで、リュック一つで行くからです。この三脚ならまだ入る余裕はあると思います。



F8・F10のような大きいサイズでスケッチされる方や、重い荷物もへっちゃらサ!。という方は、もっと頑丈な三脚か野外イーゼルで作って下さい。


ステーの作りを写真で見て下さい

以前ホームセンターで買っていた、直径5ミリのアルミパイプで作りました。 クリップは挟む部分が約4cmの物を使用。
パイプを金槌で叩いて潰し、片側はクリップにネジとナットで付けています(ワッシャーを入れて、ある程度動くようにしています)
左右を違う向きに曲げ、板に当たる部分にゴム管を被せましたが、ビニールテープでも良いでしょう。




アルミパイプをつぶすのは簡単ですが、
ネジを通す穴を開ける為にドリルが必要になります。

ワッシャーは片側で三枚使っています。
クリップの外側、クリップとパイプの間、パイプとナットの間です。

ナットはダブルにして、緩み止めで接着剤を先端部に少し付けています。

クリップ側の、つぶしたアルミパイプを垂直に立て場合、板に当たる部分の角度を見ていただく為の写真です。
板の大きさ等にもよると思いますが、だいたい45度くらい傾きます。
先にクリップ部分を作ってから、実際にあわせながら、長さと角度を決めて下さい。


後日、このイーゼル(新型の方)を持ってスケッチに出掛けました。

折角なので、鉛筆描きの時からイーゼルをセットして描きました。 ステー無しでも描いてみましたが、やはりステーがあった方が安定しますね、この上で弁当を広げても良い位でした(笑
ベニヤ板は薄いし、重さは僅かです、あとは小さな三脚だけなので、大きさも重さも苦にならないです。

今回はF4のスケッチブックにしたので、このバッグに小物色々から携帯椅子、イーゼル&絵の道具一式が納まりました。 『超小型イーゼル』は、このコンパクトさを得たいが為に考えた物です。

皆さんは実際にこの小さな三脚を見ていないので「これじゃグラグラで使えないだろう!」と、お思いかもしれませんが・・・大丈夫です!十分に使えます。・・・・・・・・・・・・・・お試しあれ!

2011.02.12追記


上の記事を書いたときは、国産の水彩画用水平イーゼルは発売されていませんでしたが、今はホルベインから出ていますので、それを使うのも良いでしょう。

でも市販の水平イーゼルは少し大きい(収納寸法62cm)。
デイパックに入る大きさの水平イーゼルがが欲しいと言う方、しかもステーを作るのが難しい人に朗報です(^^)

左の画像・・・大きさ比較のF4スケッチブックと、
三脚・スリック社 SLIK Compact U(コンパクト2)
収納サイズ36センチ、570g
メーカー希望価格は6000円ほどしますが、ネットで調べれば2000円以下で入手出来るでしょう。

他にも安価で小型の三脚はありますが、ビデオ用でクイックシューの付いた物は、お薦めしません。勿論、物にもよりますが、クイックシュー部分でぐらつきが出易いからです。実は、一つ買ってみましたが駄目でした。

この三脚は小型の割りに雲台部分がシッカリしているので、ステー無しでも水彩画を描く用途には十分使えると思います。スケッチブックや水張りした板を支持する部分の作り方は、上で書いているのと同じ。支持板の両面から「止めネジ」をシッカリ締めてから雲台に取り付けます。 スケッチブック等の重さにもよりますが6号程度はOKでしょう。
脚とエレベーター部分を全部伸ばすと、板の部分の高さは約1mですから、立って描く事も可能です。
多少のグラつきはあるでしょうが、これは市販の水平イーゼルでも全く同じ、あとはご自分で工夫してください。


エツミ・止ネジ(短)E-6600を2つ購入しましょう。
一つの止めネジのネジ部分はカットします。百均にも金工用糸鋸が売っていますので、ここだけは頑張って切って下さい。
(ポイント)止ネジを切る場合、指で止ネジを固定なんて出来ないので、三脚の雲台に固定してカットして下さい。

板は3ミリのシナベニヤ、穴は彫刻刀などでも開きます。
同じ止めネジを2個使い、シナベニヤを挟むようにして締めてから三脚に取り付けます。
スケッチブックなどが置きやすいように百均などで売っているカラーボード(発泡スチロール板)などを重ねて置きます。


どうしても、ネジがカットできない方は、カラーボード(発泡スチロール板)を厚くするという手もあります。

スケッチに使うイーゼルとして、写真用の三脚が使かえないかな?

という事は誰でも考えますよね。
 ましてや、すでに三脚を持っていたら100人中100人そう思うでしょう(笑) 

一番の問題は、板をどうやって三脚に固定するか? です。
私の考えたアイデアの一番のポイントは、
止めネジを使って誰でも簡単に板を三脚に固定できると言うところです。

16 May 2005


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